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ダーク・エネルギー 驚異の大宇宙 超新星1a パールムッターとシュミット

9月13日BSプレミアム 午後9時~10時
語り 萩原聖人、磯野佑子

「ダークエネルギー」とは、従来の物理法則では説明が
つかない「反重力」、 この力のために宇宙は「加速膨張」
していた。宇宙観を根底から覆した世紀の大発見の舞台裏
に迫る。

今、世界中の科学者たちが躍起になって、正体を追うものが
ある。「ダークエネルギー」 だ。従来の物理法則では説明が
つかない謎のエネルギーで、重力の反対に作用する、いわば
「反重力」である。そのため、宇宙は「加速膨張」していると
いう。旧来の宇宙観を根底から覆した“世紀の大発見”は、
どのようにして成し遂げられたのか。当事者への直接取材を
通して、知られざる舞台裏に迫る。

宇宙の始まりはおおよそ分るようになって来た。ビッグ・バン
から今の姿になってきた。それでは未来はどうなるのか。
物質が多い場合、重力による収縮により宇宙は潰される。
物質が少ない場合、減速しながら膨張する。
とされてきたが、遠くの宇宙の膨張速度はどうなっているか
研究の競争が始まった。

1.パールムッター(パールマター)・チーム(物理学者グループ)
1988年ローレンス・バークレイ国立研究所のローレンス・
パールムッター博士は遠くの宇宙の超新星に注目した。
1a型の超新星に注目した。ほぼ同じ明るさを持ち、距離と
速度が測れる宇宙の灯台だ。
明るさの違いで距離を測り、速度は波長の赤くなる度合いを
測って測定する。

超新星爆発は100年に1度の現象であり、数万個の銀河を
撮影して明るい点をみつける。然し、天文学者グループは
物理学は特に関係ないとして望遠鏡を使わせなかった。

1992年やっとニュートン望遠鏡を使わせてもらって、やっと
候補を見つけた。1a型か分らなかった、パールムッターの
天文学者に対する電話攻勢が始まった、この超新星を観測
して欲しいと。1992年ハーシェル望遠鏡が捉えた。1a型の
最も遠い超新星だった。
物理学者に発見されて天文学者は皆驚いた。

2.シュミット・チーム(天文学者グループ、オーストラリア主体)
ブライアン・シュミットのオーストラリア勢は既に7個の超新星
を見つけていた。
シュミットは天文学者の対抗チーム編成に取りかかった。
20年間超新星の研究をやっていたニコラス・サンツエフが
参加した。シュミット・チームは1995年1月に結成された。
3月、最も遠い超新星1995kを発見した。
ムッターも同じ望遠鏡で1995kを発見していた。後はハッブル
望遠鏡で観測せざるをえない状況だった。

○現在知られている超新星には2種類ある。
★1a型超新星は白色矮星(太陽程度の質量の巨星が一生の
最後にガスを放出し{惑星状星雲}、その中核が高密度の星と
なって残ったもの)と連星系になっている伴星から物質が白色
矮星に降り積もり、白色矮星の質量が太陽の1.4倍を越える
と不安定になって、大爆発を起こすものだ。

爆発前の天体は白色矮星と何の連星なのか、どのように爆発
が起きたのか、などまだまだ謎が多い。連星は普通の恒星説
が支持されている。

その爆発の真の明るさが全て一定とされるため、超新星が
属する遠方銀河までの距離を測る規準になっている。宇宙が
加速的に膨張していることや、膨張の要因となるダーク
エネルギーの存在が明らかになったのも、この1a型超新星の
おかげだ。

★2型超新星は太陽質量の数倍以上、中心核自体が太陽
質量の1.4倍を超えると、その中心核を除いた星の殆どを
吹飛ばし、中心は中性子星になる。
かに星雲は1054年に起こった超新星の残骸だが、当時の
書物で2年ほど輝き続けたとあるので、これは2P型超新星で
ある。
1987年に大マゼラン銀河で起こった超新星爆発(1987A)
は2型である。

ハッブル宇宙望遠鏡観測所長ロバート・ウイリアムはパール
ムッターチームの懇請で所長手持ちの観測時間を与えて
いたが、二つのチームに競わせるほうが科学の進歩に役立つ
と考え、シュミット・チームにもこの時間を使わせることにした。

1996年8月、パールムッターは超新星は減速していると
発表した。
これには、シカゴ大学のマイケル・ターナーが、疑問を持った。
発見の数が多いが誤差の範囲が大きいと指摘した。地上に
霧があると実像が赤くなり遠くにあるように見えると指摘した。

超新星研究の第一人者、アレックス・フイリップペンコが、
シュミット・チームに移籍し、精度が上がるようになった。
ジョン・ホプキンス大学のアダム・リース教授(27歳)が霧や
塵の影響を補正する方法を発表し、精度が10倍も高まった。

1997年春、1997CK最も遠い超新星を発見、結果、
マイナスの -.36の数字が出た。こうなるには重力の反対の
力が必要である。ひどい間違いか。それは加速していた。
恐ろしくなった。それは反対の力を示していた。

ここでアインシュタインのΛ(ラムダ項、宇宙項)が思い出さ
れた。宇宙が収縮せず、反対の力が働いているから、宇宙は
膨張もせず、収縮もせず、定常で美しい姿をしているとしたが、
後年これは最大の間違いだとした。然し彼は反対の力が
働いていることをすでに予測していたのだ。

シュミットはメンバーと連絡をとり、1ヶ月半も計算、シュミット・
チームは1998年1月8日、巻き返した。

パールムッター・チームは同日1月8日、40以上の超新星を
観測したが、宇宙は永遠に膨張しているとと発表した。
何があったのか。1997年5月の1997ap、最も遠い超新星
の発見がきっかけだった。

シュミットは1998年1月、同じ答えに衝撃を受けた。パール
ムッター・チームは一度は宇宙の減速を発表していたのだ。

1998年5月、フエルミ研究所で歴史的会議があった。科学者
60人。両チームがそれぞれ発表。その説の正しさに3分の2の
学者が同意した。宇宙論は変わった。新しい時代に突入した。


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Comments

omoshiroi

Posted by: koumori | 2011.12.12 at 02:07 AM

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