アフリカ、古代湖マラウイ湖とタンガニーカ湖 魚の驚異の進化
5月29日、NHK総合、午後9時~9時50
ナビゲーター 福山雅治、 語り 守本奈美
横たわって死んだ振りをするシクリッド(ブラック・バス
型の魚)がいる。油断して近づいた魚が食べられる。
人間顔負けの技術を使う。
数百万年前マントルの動きで地上が割れ、アフリカの
大地溝帯が生まれ、それに水が流れ込みタンガニイカ湖
が生まれ、今も大地が裂けているので涸れることはない。
普通、湖は土砂が流れ込み、1万年で埋まってしまう、
何時までも湖で居れないが、大地溝帯の湖は埋まる
ことはなく、魚の不思議な進化の舞台になった。
確実に子孫を残すため、シクリッドは卵を守る習性がある。
相手が集団の小魚が捕食してきたの場合、全滅の
憂き目に遇うこともある。
カリプテルスのオスはメスより大きく、巻貝の殻を集めて
くる、メスはその中に卵を産み、子供は貝の中で育つ。
近くの卵とメスが入っている貝殻を獲ってくるものもいる。
メスを追い出し、中の子供の稚魚を食べてしまう。
この殻を売り物にして自分のメスに卵を産んでもらう。
80センチもある最大のシクリッドのクーヘは不断沖合い
でくらしているが、産卵時には岸に寄ってくる。卵は
2万個、ペアが守っている。2日後孵化が始まる。
子供を狙う小魚の群れがやってくるが、完全には防ぎ
きれない。連日襲ってくる。
子供を口に入れ、敵の多い場所から安全な他の場所に
移る。数年後産卵のため、又岸に戻ってくる。メスの
生んだ卵を口の中にいれ、卵を守る。
以上はタンガニーカ湖の話。
タンガンーカ湖の南にあるマラウイ湖は200万年前に
できたが、800種以上のシクリッドが住み、全て口の
中で子育てをするという。あっちでも、こっちでも子供が
生まれ、親は1ヶ月も何も食べず、守り続ける。
他の方法で子を育てるシクリッドはいないのか。
メリーランド大学トム・コーチャ教授によると、これらの
先祖はたった1種だという。
300万年前、マラウイ湖ができた時、タンガニーカ湖の
水が流れ込んできたが、そのとき移り住んだシクリッドが
口のなかで子育てをする種だった。200万年の間に、
300種となった種の発展、変化はとても早い。
人とチンパンジーの先祖が分化したのが700万年前と
いうのに、その半分の年数で800種に進化している。
マラウイ湖には子育ての条件の良い場所は少い、岸の
崖は急に落ち込んでいる。このためアサヤと言う種は、
密度の高い、激しい競争に曝されるが、皆で藻の種類
をわけ、齧りかたも変え、皆仲良く藻を食べている。
歯や顎の構造も変え、多様な進化を遂げている。
古代湖は多様な魚を生んだ。なまず(Cat Fish)がいる。
鯰は夜活動する。小魚は光に集まってくる。これを狙い
夜に浮上してくる鯰がいる。体長1mの「カンパンゴ」だ。
鮫のような姿をしている。
底でじっとして髭にさわる小魚を食べる鯰がいる。
すり鉢状の孔で子育てする珍しい鯰がいる。周りに
シクリッドが集まり、稚魚を狙っている。鯰も子育てする
ようになった。何も食べずに。
又、不審な動きを感じ、リモコン・kメラを降ろし1ヶ月以上
に亘り観察する。狩をするのはメスだけだが、白い卵を
出して子供に与えている。哺乳類のメスがミルクを与えて
いるような感じだ。
10月、マラウイ湖に雨期が来る。沢山の煙のようなものが
たち昇る。「フサカ」と言う蚊の発生だ。風のない日の夜明け
羽化する。高さ200メートルにも達する。オス、メスが空中
で会い、水面で卵を産み、死ぬ。
鳥が蚊を食べにやってくる。魚にも恵をもたらす。
また、ボーフラはカンパンゴの子供のえさになる。
佐藤哲、長野大学教授は20年以上、古代湖の魚の研究を
している。別の鯰の子を育てているカンパンゴがいる。別の
鯰とは「サプア」だ。
入れ替わっている様子を知るため、リモコン・カメラを降ろす。
白いカンパンゴの卵のなかに黒い魚の稚魚がいる。サプア
は卵を紛れ込ませ、先に生まれたカンパンゴの稚魚を
後から生まれた、サプアの子がカンパンゴが食い尽くす。
カンパンゴの親は自分の子だと思って育てている、かっこう
のようだ。
シクリッドが含んでいる口の中の卵のなかに、黄色い他の
卵が混じっている。10cmくらいの小さな鯰が、口をこじ開け
自分の卵を入れたのだ。20日ぐらいで孵化するが、これが
シクリッドの子に襲いかかり、食べつくす。親は口の中で
何が起きているのか知らない。外へ出てくるのは鯰の子。
自分の子として育てている。マラウイ湖でこんな進化のさまが
見られる。
タンガニカ湖の北、ビクトリア湖、かっては「ダーウイーンの
箱庭」と呼ばれた豊かさは見れない。魚の種が減り、まだら
になっている。50年前に人間が持ち込んだ「ナイル・パーチ
(河すずき)が、シクリッドを食い尽くしたのだ。
ナイル・パーチは白身の味の良い魚で、ヨーロッパに輸出
されている。
数百種いたシクリッドは殲滅され、50年で永久に失われた。
カンパンゴのような、大きく、強いものだけが、生き残るわけ
ではない。小さな鯰に用心棒として使われているだけだ。
恐ろしい捕食者に利用されているのだ。数百万年の歴史が
あり、進化の度合いが進んでいるのだ。


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