A380とB787と日本メーカー
9月10日NHK Specialで「巨大航空機誕生」を見た。
1.A380
開発期間 16年、開発費 1兆円、最大 850人乗り、
1機 300億円、南仏ツールーズで組み立て、購入予約済159機、
16エアラインズ
長さ 73m,幅 80m,高さ 24m(7階建てビルの高さと同じ)
エア・バス社は1970設立。1974米国に対抗、300人乗り中型機
開発、販売開始。
○B747は1969初飛行、1機240億円、1400機生産されたが、
B747打倒を目標に、1984年開発開始。
当時B747を持っていたエアライン16社に、仏カルカッソンに
集まってもらい、A380の打診をしたところ、イエスだった。
欧米からアジアのハブ空港を意識したものだった。
○大きさはB747より40%増加することになった。機体重量軽量化が
必須要件となった。
軽量化、安全性向上、低コストが目標になったが、世界の企業の
協力を得れば可能との方針がでた。
現在所要部品を世界20ケ国120社から調達している。
○2階建て部分のクロスビーム
アルミで作ると重量大となるので、軽量化できないか世界のメーカー
に照会がだされた。
その中に日本のJAMCO Corp.があった。 JAMCOは35年前から、
ボーイング社に厨房機器、機内カート、トイレを納めており、次いで
世界のエアラインからも同種機器の注文をうけている、従業員
1000人ながらこの種機器では世界一のメーカーになっていた。
又、7年前にはボーイング機の垂直尾翼を炭素繊維で作った実績
を持っていた。
JAMCOではクロスビームの開発に、リーダー浅利和美
人員13-14名で、3年半をかけることになった。
1本のクロスビームを炭素繊維で作るのに、8000ブロックに分け、
繊維の重ね方、角度で強度を出すように工夫された。
大きな釜と自動成型機、クロスビーム専用機がつくられた。
炭素繊維は22層に重ねられる。熱と圧力を同時にかける。
7mのクロスビームを2時間で作れるようになり、軽量化とコスト
ダウンが実現できることになった。
一方、エアバスでは2000もの安全基準を定めており、胴体に
ついてはドイツが責任を持っており、ドイツから責任者が来日し、
日本で試験を行った。
ビームの10箇所に違う力をかけ、3ヶ月テスト、胴体着陸時の
負荷7.5トンに6秒間耐えらることにすべて合格した。
クロスビームは1機につき65本使われ、アルミに比し40%の
軽量化となった。
JAMCOの当初ボーイング売り込みに当っては、自分も関与した
ので、今その活躍を見るのは大変嬉しい。
○主翼の幅は40mあり、英国メーカーで組み立てられている。
主翼にはしなりに強い金属パネルが必要だが、主翼片方にパネル
8枚を必要とする。これは米国アイオワ、ダベンポート在アルコアで
つくられる。(ボーイングもこのパネルを使用)主翼片方の長さは33m
重さ3トン。
○主翼つけねでアルミ合金と炭素繊維を繋ぐには、ボルト1400本
を要するが、米国専門メーカーのものを使用している。
○2000年に重大事態が発生した。
夜間飛行が可能で静かなエンジンが必要となり、空気の取り込みを
大きくするため、フアンを大きくしたため、エンジンの重量が増加、
それに伴い、主翼の重量1トン増となった。
英工場では外側パネルをいじるのは限界で、内部補強材リブを軽量化
するしかなかった。しかし薄いアルミ合金を削る方法がなかった。
神奈川愛川町の牧野フライス社では、小野伸二技師をリーダーとする
ボーイング向け売り込みを想定して、高速、高精度の大型工作機械を
開発していた。
ボーイングは当初は購入しなかったが、その時エアバスから照会が
あり、テスト用リブを切削し英工場に送ったところ、絶賛され、即採用。
3台を購入、フルでリブ加工を始め、最大の危機を救った。リブの形は
1枚1枚違い、正確に削りだす必要がある。
英国側はこれは単に技術だけの問題ではなく、日本文化が優れて
いるとして、絶賛、感謝している。
尚、ボーイングも後日この機械を採用した。
A380生産に日本は21社が参加している。
2.B787
ボーイング社は僅かな利益に対し,極端に大きな投資を要する
巨大機よりもコストダウンした中型双発機生産の方が有利と判断、
296人乗りのB787開発を選んだ。
胴体その他に炭素繊維を多量に使用する。1機140億円
21社より257機の予約を受けている。
○B787の構造・部品の製造には35%について日本メーカーが参加
している。名古屋周辺に多い。
ボーイングが主翼部分を海外に発注するのは初めてであり、炭素
繊維を使うのも初めてとなる。
三菱重工は国産戦闘機の翼を炭素繊維材で作ったことあり、
ボーイングもそこに目をつけた。
三菱重工はB767,B777でも下請け生産している。
100人の技術者をボーイングに派遣、名航には150人を擁している。
リーダーは藤本隆史。
○ボーイングは日本の自動車生産システムを取り入れ、機体を
移動しながら、組み立てを行うシステムで組み立て期間の短縮を
図っている。


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